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「パイド・パイパー 自由への越境」ネビル・シュート/創元推理文庫

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舞台は1940年夏のスイス近くのフランスはジュラの山村。
現役を退いた70歳の老弁護士のハワードは、息子の戦死と言う
傷心を癒す為にロンドンから釣りをしに訪れてた。
で、ここで戦局が悪化。ロンドンに帰ろうとするんだけど
なんと、ある一家と出会い、8歳の男の子と妹の2人の
子供を連れて帰るはめに。
一言で言えば、イタリアが連合軍に宣戦布告し、ドイツの
占領下になったフランスの端から端までをイギリス人の老人と
子供が旅する。。。。地味な話(笑)。。。なんだけど、これが
またハリウッドムービー並の手に汗握る素晴らしさ!!!

自身が70歳のイギリス人と言うことがバレたら強制
収容所送り必至な老人。おまけに子供たちは英語を
しゃべっちゃいけない!ってのにポロっとしゃべったり、
喧嘩したり、戦車で遊びたがるし、お腹空く(当たり前か)けど
食べるのが遅かったり、ぐずついたり、熱出したり!!
水浴びしたくなるし。。。もう大変!!!
そうなのですよ、「子供とはこーゆーもの」という
的確な描写に説得力有り。

敵地からいかに逃げ出すか?ってな話はごまんと
あるけど、老人の機智と勇気と時に子供の愛らしさと、
女性達の母性愛とで切り抜けて行くのですよ。
おまけに(まだおまけがあるのか!?:笑)困難な旅の途中に
ホテルメイドの姪っ子、息子と縁のあるフランス人
女性ニコラと2人の孤児、ポーランド系ユダヤ人の子供さえ
拾い!!!!!イギリスへ目指す。。。

これって「ハメルンの笛吹き」じゃん。。。って
思ったら、題名の「パイド・パイパー」は「笛吹き」
の意味だそうで(笑)
ああ、だから言葉の通じない子供たちの心を
一瞬で掴んじゃう草笛の名手ってな設定もなるほど!
と。
まあ、反対に血気盛んな若者だと目立つところ、
老人、女、子供という戦争弱者だからこそ動けた
とこもあり。

終盤のゲェシュタポとの遭遇(T^T)とあっと驚く結末に拍手。
フランス人女性ニコラとハワードの息子のジョンとの
恋愛話も切なく素敵です。
ハワードの最初から最後までブレない姿勢とニコルの最後の台詞。
しみじみといい♪

あ、一つ出版社に注文が。出来れば彼らの通った道筋を
辿りたいので地図を載せてくれたらなあ。。。
と、思いました。googleとかで調べても細かな地名が
分かんなかったし。









「ばかもの」/絲山秋子/新潮社

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読書は三度の飯並みに好きで、出勤前、出勤中、トイレ、
風呂、寝る前に主に読んでます。悩みはすぐ読んじゃうとこ(笑)
だって、1~3日毎に新しい本購入はキツいっす。
まあ、酒飲めないから、飲み代考えればたいしたことない?

で、昨日、ふらりと入った紀伊国屋で、カヴァー買いしたのが
この本。いいなあ、この題名とこのイラスト(笑)

19歳のヒデは10歳上の額子と付き合って、
(このシチュエーションは男女とも嬉しい:笑)二年後に
ポイされちゃう。ヒデはその衝撃で少しづつ崩れ始め
アル中に。それから10年後に再会。
話はそれだけ(かい!:笑)
この本では、最初に若い額子がヒデに「ばかもの」って言う
んだけど、最後にも言う「ばかもの」には、2人の経験と
万感が籠ってる。
悪くはないけど、彼女の作品では「袋小路の男」の方が
好み。






ル・オタク  フランスおたく物語/清谷信一/講談社文庫


このところ、今更ながらのマイ司馬遼太郎フェアで、「坂の上の雲」
「世に棲む日日」「龍馬がゆく」
等20巻ぶっ通しで読み、心が侍化(笑)
バランス取る為にサイバラ師匠の「毎日かあさん5」で心を洗い
(相変わらず、人としての重心が低くて、意地悪でほっこりしてる)
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本屋で、この「ル・オタク」を手にして、すっきりさせるつもりが
。。。。フランスのオタク事情に目眩が(笑)
著者は、もともと軍事ジャーナリスト。この頃、TVなどで話題になってる
フランスのアニメオタクの現状のレポですね。
何故フランスで受けるのか?ってなことがTV創成期からの歴史等
から考察。フランスTVアニメの歴史。。。ってこれってフランス人も
びっくりのオタクぶり(笑)やれやれ。。。疲れちまった。

できそこないの男たち/福岡伸一/光文社新書


ベストセラーの「生物と無生物のあいだ」の福岡伸一ハカセの新作。
よくニュースなんかで、ヒトゲノム解読!とか人間の祖先は
アフリカに住む一人の女性から発生した!とか、生物学的なトピックス
が取り上げられるけど、。。。で?それが何か?ってな、一瞬へえ!と
思いつつ、いまいちよく分からずに、なんとな~く忘れ去ってる
ことって多い。
モモタは高校の時、理科は生物を取りました。その教科書に
ワトソン・クリックのDNA二重らせんの記述があり、発見されて
まだ20年くらいだったのにもう教科書に載り(普通なのかな?)
「生物学の世界は日々発見の世界なんだよね。毎年のように
教科書の内容がかわるんですよ♪」」と語るミトコン(先生のあだ名。
細胞内のミトコンドリアのことですね。クネクネしててとりとめ
無かったし:笑)のキラキラした目を思い出します。

で、この本。目からウロコ。いやはや、男性は目にウロコつけたく
なるでしょう。この本は社会学的ではなく「生物学的」に、男女
どちらがデフォルト(基本形)か、ってことを書いてます。
それはどっちが上だとか下だとかとか優秀かとかってな
ことでなく、「生物学的事実」として。

この本の第七章「アリマキ的人生」が象徴的エピソード。
よく草花にみっちりついてるアリマキは、なんとメスしか
いない。日々、自分のクローンを生み続けるんだけど、
冬期の厳しい環境を越える為に秋口になると、オスを
生み始める。オスはただ、秋が終わるまでにメスと
交尾し続け、卵を産ませ、死に絶える。仕事は、交尾のみ!
春に孵るのはまたしてもメスのみなのですよ。。(およよ)
ほんの一瞬現れたオスによってメスとメスの遺伝子が
わずかに交換されたわけですね。
ええ、単為(たんい)生殖なだけじゃん!ってことですが(笑)
でも、それだと、環境の大きな変化で全滅しちゃう可能性が
あるので、オスが必要になったわけです。
「本来、すべての生物はまずメスとして発生する。
何事もなければメスは生物としての基本仕様をまっすぐ
に進み立派なメスになる。このプロセスの中にあって、
貧乏くじを引いてカスタマイズを受けた不幸なものが、
基本仕様をそれて困難な隘路へと導かれる。
それがオスなのだ。ママの遺伝子を,誰か他の娘の
ところへ運ぶ「使い走り」。現在すべての男が行ってる
ことはこういうことなのである。アリマキのオスであっても
ヒトのオスであっても。」(本文より)

この本は、最新の分子生物学の説明だけでない、福岡
ハカセの文学的考察や語りが魅力的。業界での仁義無き
先陣争いのエピソードも凄いし、最後の、ハカセが語る
「アノ感覚」(射精時の快感ですな:笑)の考察などは
微笑ましく感じましたぜ。

「寂聴と磨く『源氏力』全五十四帖一気読み!」/「百万人の源氏物語」委員会編/集英社新書

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一昨年から昨年の半ばまで、あの橋本治氏の「窯変源氏物語」
全14巻読みました。ええ、あのただでさえメチャ長い国民的
長編小説なんですが、治ちゃんのフィルターがかかると
これまたねちっこく、くどく、しつっこい!!!。。。が、しか~し
読み始めると癖になって、読書途中で、どんなにこってりした
作家の小説もあっさり物足りない(笑)
紫式部と治ちゃんという霊媒師にやられた一年でしたっ。
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それから、源氏千年紀ってこともあり、何冊も関連本読みましたし、
友人の源氏マニア達とは今もしTVドラマ化されたら配役は
誰がいいか?!但しギャラ無視(笑)
ってな一覧表を書いて盛り上がったり(これは傑作なんで
いずれアップしますね)

で、集英社のKさんから「モモタ、はまってるんでしょ?」
と頂いたのがこの本。はい。素晴らしくコンパクトに
まとまってて、話の筋やおおきな掴み方が端的。
流石寂聴先生!!
まあ、とっかかりとしてお勧めですが、よりとっかかり
易いのは「まろ、ん?」の漫画かな。
これは、光の君のど~しょうもないお子ちゃまなとこ
とか良く出てます(笑)
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