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●映画「母なる証明」(4.7点)

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韓国の田舎の街で漢方薬店を営む母は精神発達遅滞の
息子トジュンと倹しく暮らしてた。ある日、お酒を
飲んだトジュンは酔っぱらって女子高生の後をついて
行くが見失い,翌日,その女子校生の無惨な死体が
見つかりトジュンが第一容疑者となってしまう。
純真無垢で上手く自分を表現出来ないトジュンは
取り調べで自白を強要され、悪徳弁護士も役に立たない。。。
無実を信じる母は、自分の力で「真犯人」を探す
決意をする。。。

見渡す限りの枯れ草の草原に目の焦点の合わない
中年の女性がゆらゆら歩き、途中からゆったりと踊り
始める。。。その不思議なファーストシーンから
何やら「小難しい芸術系映画!?」と、身構え
ましたが、いやはや、続くシーンで親子関係や
息子の状態、生活環境やささやかな喜びや絶望が
一瞬で分かる場面展開の爽快さ(見て下さい:笑)
リズムの良さであっという間に話にのめり込
んでしまいました!

良くありがちな普通の母が「母性を武器」に難問を
解決するスーパーウーマンものと、思いきや
伏線に次ぐ伏線、どんでん返しに次ぐどんでん返し、
ミステリーとして脚本が良く練られてまして
最後もあっと驚く展開。まず、ミステリーとして
成功してる。

そして、知的で計算された話を核に、みっちり肉付け
されてるのが、韓国的(日本的でもある)社会の
矛盾や闇、業の深さ、特に「母性」と言う名の「自己愛」
の強烈さが、これでもか!これでもか!と表現
されてまして、濃いっす(ため息:笑)。。。。。
まあ、全世界の女性は濃さ薄さの差はあっても、同感
する部分はありますね。
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そして所々ちりばめられてる「水」を扱うシーンが印象的。
放尿する息子に漢方薬を飲ませようと強要し、放尿
跡を足で消そうとするシーン。ペットボトルから
流れ出る水。(このシーンはスリリング!)
老人から流れる血と機械油混合液。
「儒教と業のドッキング」で腐臭を放つ「水」。
拭っても拭っても元に戻らない暗喩ですね。
それらのシーンがまるでフランス映画のようにクー
ルで美しい。
雄大な田舎の景色の中で右往左往する母の姿も
敵ばかりの社会の中でもがく一匹の蟻のようで
悲しく美しい。

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そして二重の意味での「真犯人」の遣る瀬なさ。
「確信犯的」後味の悪さ。

母役のキム・ヘジャの異常な濃さはちょっと引き
ますが(笑)、非常に上手です。
トジュン役のウォンビンも適役で、髪を下ろした顔は
まさしく「子鹿」みたいに可愛いっす。
画面では表現されないけど、この二人の近親相姦的
関係が深い闇となって全体を怪しく包んでます。

で、最後に、国民的女優とアイドルのお二方の
取材写真めっけ!はら~~~非常にお美しい!!!
(当たり前か:笑)
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●展覧会「古賀勇人個展」@ギャラリー枝香庵(~11/23)

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熊本出身の25歳のフォトグラファー古賀勇人の個展。
トーキョーワンダーウォール2007入選、GEISAImuseum2!!
森美術館理事長森佳子 審査員個人賞受賞等、若手新進気鋭の作家。

。。。。って、知りませんでした。ええ、ダンナのイトコの娘の
ダンナ(←もはや分からない?:笑)の個展が銀座であるとのことで
伺ったのですが、あの小さかったNちゃんがこんな180センチ&
イケメンで才能溢れる若者と結婚してたとはでかした!!(笑)
。。。しみじみ、おばさん嬉しいですう(目を細める&遠い目)

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彼の作品は水の一瞬の表情を切り抜いたもの。
なんと「公園の噴水を太陽を背にして撮影しました」とのこと。
スカっと爽やか!などこかのCMみたいに、ひたすら気持ちいいですね。
そしてそこはかとなくエロっぽい(←これはお大事なこと:笑)

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↑目力あります。↓動画をめっけたので。

●ちょこっと宣伝。

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「Merry Christmas & Happy New Year」展@岩崎博物館(横浜)

●岩崎ミュージアム第263回企画展
Merry Christmas & Happy New Year 展

2009年12月9日(水)~25日(金)

主催:(株)シュガー
協力:日本あみぐるみ協会・カメヤマデザイン

 雑誌の広告、書籍の表紙、駅のポスター、ゲーム、インターネット、
CM など毎日作り出されるたくさんのクリエイトを支えるプロのクリ
エイター10人が、クリスマスとニューイヤーをテーマに作品を販売!!

 手作りの一点ものや新作イラスト、年賀状から2010年カレンダ
ーまで、パワー溢れるクリエイターの作品達に心がわくわく踊ります。
 ここでしか見られない、ここでしか買えない、世界で一つの
アートフェスティバル! 是非ご覧ください。(博物館HPより)

ここにクリスマスカードと来年の年賀状を出品してます。
一枚158円で購入可能です。ヨコハマにお越しの際は是非
覗いてみてくださいね。

●婦人公論ムック「快楽白書」12/2発売。
ここの表紙&挿絵等描いてますので、中高年夫婦の指南書(笑)
として、是非、各家庭に一冊いかがですか?
発売したら画像をアップしますね。

それとネットサーフィンしてたら素敵な動画めっけ♪
我がアイドル、ルネッサンス期のネーデルランドの画家
ヒエロニムス・ボスさまの作品をオマージュした映像ですねえ。。。
なかなかクールです。
三部作「快楽の園」の左扉に描かれてる「音楽地獄」
と、呼ばれてる部分をアニメ化。。。凄いですよ。


↓これがその左扉の全図。

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●映画「This is it」(3.8点)

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2009年6月25日に急逝したマイケル・ジャクソンの
幻となったロンドン公演のリハーサル風景をまとめたもの。

全世界から集まった一流のダンサー、ミュージシャン、
スタッフがMJの為なら!と、全力で作り上げる様は
感動もの。
そして、何よりもMJ自身のステージに対するこだわりは
相当なものですね。音楽のテンポやフェードアウトの間、
微かな音程から細かな演出までダメ出しのオンパレード。
振り付けや照明、美術、バックに映すCGまで
全てが自分の世界を持ちどう見せればいいのか分かってる。
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歌声もダンスの切れも往年のままですねえ!!
オールドファンには最近の「奇行」ニュースばかりに
辟易&過去の人と認識されてたのが払拭されて嬉しいし、
若者にとっては衝撃的で「MJの発見」体験でしょうね。

舞台狭しと踊るダンサーたちは20~30代でしょう。
マッチョでしなやかでゴムマリのように弾み、しなる。
その中でどんなに名手でも50歳過ぎの踊りは
普通はついていけないし、見劣りするものだろうけど、
反対にMJの「誰も真似できない個性」が際立ちます。
(まあ、バックダンサーですから主役を食っちゃ
いけませんが:笑)
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コンサートに関わる全ての一流のプロがMJを尊敬し、全力を
尽くして作り上げるのにはMJの人柄も関係してますね。
「真摯で謙虚で気さく」なMJに皆ひれ伏し、一言も
聞き逃さないようにしてる。
「まるで教会だね」と、言うスタッフの一言が可笑しい。

リハなんで、全力でやらない部分や、迷ったり、間違えたり
確認しあったりするけど、かなりのハードワークである
ことは確か。歌の掛け合いでMJを本気にさせてしまったり
(微笑ましいですが)、やはり体力の限界まで
使ってるとこも(映像では極力排除してるんでしょうが)
チラチラ見えて、その後を知ってる我々には辛いですね。

大きな意味で「このコンサート自体がMJの寿命を縮めた」
のは確か。果たして50公演なんて出来たのかも謎ですねえ。

途中から、このコンサートの「テーマ」が分かってくる
仕組みになってて、「MJの思想」の集大成と考えてるの
がわかります。でも、「スリラー」の焼き戻し映像は
ディズニーランドのホーンテットマンションと全く
同じに見え軽くなってしまってる。
最後の真っ正面からの正しい「主張」も何だか
ハリボテのような。。。。彼の影の部分を嫌になるほど
知ってる我々にはちょっと奇麗事過ぎるって思っちゃいます。
舞台の上での志半ばのネバーランド。
MJらしいかな。

●映画「空気人形」(4.6点)

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古いモルタルのアパートで一人で住む中年独身の秀雄は
安物ダッチワイフの、「のぞみ」と暮らす。
彼女はある日、心を持ってしまい、メイド服を着て街に
出ていろいろな人と出会い、昼はレンタルショップで、
夜は秀雄のアパートという二重生活が始まる。
段々と人間らしい心が芽生えるのぞみは、いつの間にか
店のバイトの純一に密かな恋心を抱き始め。。。。
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ひょえ~~~!!!
粗筋書いてて。。。これまた荒唐無稽&漫画そのもの(笑)
なストーリーに何故ゆえ、最近ではめったに無い高得点を
つけてしまったのか不思議。。。ちゅうか、もう、見終わって
ず~~っとB級変態映画倶楽部会長某クワバラさんと
「B級変態心掻きむしられる(笑)いい映画だね♪」と時を
忘れて語り合いました。見終わってからドーンと骨太なテーマと
あれこれ小さな笑える洒落たエピソードを肴に出来る傑作映画
かも。

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ダッチワイフが恋人の中年独身ファミレス店員の秀雄を筆頭に、
着物姿で街を徘徊して交番で警官と語るのが日課のおばあちゃん
(って、富士純子だよ!彼女は常にアバンギャルドです♪)
汚物に囲まれて暮らす拒食症の女浪人生、人形のくしゃくしゃな
髪をフォークで髪を梳く母親のいない女の子、元代用教員で
体中にチューブを巻いてベンチに座る老人、卵掛けご飯を
愛するビデオレンタル店店長、新人OLに若さで勝とうと
努力奮闘する中年独身OL。。。
典型的オタッキーなオタク君も出てくるのですが、彼が一番
普通に見えるくらい、日本の今の「密やかに病み閉塞してる」人々の
オンパレード。
そう、この映画は中身が少しずつ詰まって行く「空気人形」
と中身が空っぽな「空気人間」達の寓話なのです。

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まあ,何と言ってもこのダッチワイフ役のペ・デゥナが奇跡。
たどたどしい日本語も人形ならさもありなん
って感じだし、ダッチワイフ役なら当然のヌードも、
セックスシーンも透明感があって彼女ならではでしょう。
脱ぎっぷりもいい(死語か?:笑)

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愛する純一君とのラブシーンは即物的な他の男性陣とは
空気人形だけあって「違った交歓」でして、これまた
ゾクゾクするほどエロチックで。。。
彼女,本当に良いお顔するんですよお♪
おばさん惚れました(笑)

鈴木清順みたいなお爺ちゃんがのぞみに語る「ウスバ
カゲロウの話(I was born)」やのぞみが朗読する「生
命は」は吉野弘の詩からの引用。私事ですが、モモタが
油絵からイラストへ変更したきっかけをくれた詩人なので
ちょっと感動。レンタルビデオ店でちらちら見せたり
する映画がこれまた趣味がいい(単に監督と趣味が一緒?
:笑)何を自慢?(笑)

ラストの身の毛もよだつ(笑)美しさと爽快感もマル。
撮影監督のリー・ピンピンの目線がいいのです。

惜しむらくは、オダジョー。。。。はい、一人「浮いて」
ましたなあ。とても良い役なんですが、他のキャストが
「脇役トーン」なので、かれの「オダジョー」の記号的
存在感が邪魔な。。。上手く言えないけど、ここだけ
ミスキャストっぽい。同じ主役級なら堺雅人とかの
方がもっとしっくりする感じでした。

一食抜いてでも是非見て欲しい映画です。
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