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●読書「リハビリの夜」熊谷晋一郎著/医学書院刊

rihabiri1.jpeg 
  
現役の小児科医にして脳性まひ当事
者である著者は、あるとき「健常な動き」を目指すリハビリを諦めた。
そして、《他者》や《モノ》との身体接触をたよりに「官能的」にみ
ずからの運動を立ち上げてきた。リハビリキャンプでの過酷で耽美な
体験、初めて電動車いすに乗ったときのめくるめく感覚などを、全身
全霊で語り尽くした驚愕の書。

(医学書院サイトより)

いやはや、この表紙の目は強烈ですねえ(笑)
何なんだ?この目力は。。。と、中身を見るともっとぶったまげました。
目次の文字面だけ読んだらこれっていったい!?ってな扇情的な言葉が。。

序章 リハビリキャンプ
第一章 脳性まひという体験
 1 脳内バーチャルリアリティ
 2 緊張しやすい体
 3 折りたたみナイフ現象の快楽
 4 動きを取り込み、人をあやつる
第二章 トレイナーとトレイニー
 1 ほどかれる体
 2 まなざされる体
 3 見捨てられる体
 4 心への介入が体をこわばらせる
 5 体への介入が暴力へと転じるとき
 6 女子大生トレイナーとの「ランバダ」
第三章 リハビリの夜
 1 夕暮れ
 2 歩かない子の部屋
 3 歩く子の部屋
 4 女風呂
 5 自慰にふける少年
第四章 耽り
 1 対比に萌える
 2 取り込めないセックス
 3 規範・緊張・官能
 4 打たれる少女
第五章 動きの誕生
 1 モノと作り上げる動き
 2 人と作り上げる動き
 3 「大枠の目標設定」が重要な理由
 4 世界にそそぐまなざしの共有
 5 助け合いから暴力へ
第六章 隙間に「自由」が宿る-もうひとつの発達論
 1 両生類と爬虫類の中間くらい?
 2 便意という他者
 3 身体に救われる
 4 むすんでひらいてつながって
 5 衰えに向けて

筆者はなんと脳性麻痺で東大医学部卒の現役の小児科医の熊谷晋一郎氏。
出産時の酸欠状態で生まれ、生まれつき「思ったように身体が動かせ
られない身体」に。
物心ついた頃から,夏は親の元を離れて「リハビリ合宿」へ行くも、
「健常者の動きを出来るように矯正させられる」毎日。。。
ストレッチでこわばる身体をほぐして行くと、ある地点でぐっと
身体の力が抜けて床に溶けていく「折りたたみナイフ現象」(知らなかった。。
)の快楽とか、動けない故に圧倒的な力で押さえつけられたり、抱擁される
全てに身を委ねる事に寄る圧倒的な「敗北の快感」など、当事者しか
語れない話のてんこ盛り。
緻密で医学的なアプローチから、感覚的肉感的な、本人の弁では「官能的」で
真摯な内面の吐露に釘付けです。

リハビリ中にトレイナーから「もっと腰を起こして」と言われ、
おもむろにこのあたりかな。。。と、動かすと、「そこじゃない!ここ」と
触られた場所が意外な場所で、自分に取っての他者が現れ、それが続くと
自分の身体全てが他者になってしまいいよいよ動けなくなる。。。
そんなこと考えた事さえなかったんで、ハっとしますよね。

そして読めば読む程、他人事でないことにも気づきます。
そして自分も遠く無い将来には介護する側、介護される側になるんですよね。
「ほどきつつ拾い合う関係」
「まなざし/まなざされる関係」など、トレイナーとトレイニーの
関係論も面白い。表紙の目はしっかり「まなざし」てますね。

ところどころある挿絵がこれまた素朴なんだけどプリミティブな力の
あるイラストでして、筆者の感性とぴったりマッチしてて素晴らしいです。
これが熊谷氏。。。
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はい、やはり凄い目力です(笑)




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婦人公論ムック「快楽白書」発売。

kerakuhakusyo.jpg
い、いきなりデカくてすみません。
婦人公論から「快楽白書」と、書いて「けらくはくしょ」と、読む
ムック本が発売されました!
表紙、扉、奥付、巻頭特集挿絵、カラー中ページのイラストなど
モモタの作品が一杯載ってます。
ええ、今更人に聞けない、中高年の閨のノウハウが満載です。
このムック本はなんと読者層は中高年男性が60%という、隠れた
男性向け(もちろん女性も�G���������͂��Ă�������)セックス指南書なのでございます。
anan買うのに抵抗感ある御仁もモモタのイラストなら大丈夫♪(かな?:笑)
是非,各家庭に一冊常備して頂ければ,家庭円満間違い無し
でございます。



「スペインの宇宙食」菊地成孔/小学館文庫

images.jpg
先日、新宿のジュンク堂にてエレベーター前に山積みの
本書になんとなく引っ掛かって購入。。。ああ、これぞ
キクチナルヨシ地獄の隠された入り口でしたっ(T^T)

著者は、サックス奏者で、東大を始め多くの講師を務め、文章家。
で、カリスマ。

その饒舌で、すけべで変態で、知的で、切れ味最高の
銀のナイフで料理された文章に、やられちゃいましたねえ。
猥雑で卑近なのにとても崇高。多分、いい加減でゆるゆる
なくせに一途で一生懸命。同じ物事を彼のフィルターに
通すと、もうキラキラと輝く宝石にしてしまう魔術師。
老獪なのに純粋。

これはかなりヤバいです(笑)
かっこ良過ぎる。

ある種の新興宗教の教祖的力あり。
そして、この知的な俗物怪物の「色っぽさ」は女性はともかく
男性も虜にする力ありますねえ。こんな太陽な人の側に
寄るとロクなことはありません。一生周りをクルクル回るか
近づけば大火傷必至。いや、ブラックホールか?(笑)

この本はナルヨシ教の「聖書」っぽく感じましたね。どこから読んでも
滋味深く変態的。読めば読む程、ハマる感じします。
単行本はもう6年前に出てたのね。かな~~り発見が
遅かったですう(T^T)

多分、今の彼の思想も演奏も舌の感じ方も変化してるのだろうな。

あとがきに「。。。取材を受け、インタビュアーが『私、菊地さんの大
ファンです』などと、おっしゃる時、必ずボロボロになったこの本を
差し出されます。。。。(中略)。。。他のワタシの著書に共通する
専門書としての性格がほとんどなく、だれでも読める敷居の低さ
と、いった属性も関与してるとは思いますが、なにより最大の
理由は、この本が、目眩がしそうな程の「青春の輝き」に満ち溢れて
いるからだと思ってます。。。。(後略)(。。。って、後半が
良い文なのにね:笑)
そう、彼の言う所の「濃密に閉じ込められて琥珀化している」
青春の本です。

。。。え?これだけじゃどんな本か分からない?
ええ、読まない方が身のためです(笑)それが感想。
こちらが単行本の表紙。

images-1.jpg

「沖で待つ」絲山秋子/文春文庫

沖で待つ
第134回芥川賞受賞作品。
併録されてる「勤労感謝の日」は、36歳元総合職の主人公鳥飼恭子が、
失業後、断れないお見合いでトホホな男と会い、ちゃぶ台ひっくり
返すごとく逃げ出し、気の合う女性部下とやけ酒飲んだ。。。
ってなまあ、ある意味どうでもいい内容(笑)

でも、本当にこの受験戦争に勝ち抜き、就職も大手企業総合職
という女性の現実の悲哀と「心意気」が凄く良く出てて、なかなか面白い。
沖で待つ1
この野辺山氏は、現実の会社の中での男性の象徴だなあ。彼の言動の
一つ一つに毒付き、ツッコミまくる恭子ちゃんもまた「負け犬」的
世界にがんじがらめ。あ~やだやだ。。。酒でも飲まないとやってらんないよね。

「沖で待つ」この題名が奇麗。。。そしてカヴァーの船の凛とした
静けさ。思わず、題名&ジャケ買いしちゃいましたよ(笑)

及川は、これまた総合職のOL。一般職のOLからは尊敬されつつも
遠ざけられ、上司も部下もどう扱っていいのやら?ってな存在。
その中で、同期の太っちゃん(その名の通り、守備範囲外デブ君:笑)とは、
気が合う。何と、ある日、太っちゃんからある提案が。。。
沖で待つ2
ちょっとしたジョークかと思った提案だったのが、なんと太っちゃんは
不慮の事故に合う。。。

この話のテーマの一つは、本当に昔から語られる「男女間に友情は結べるか
否か?」でして、久しぶりに考えてみましたが、案の定面倒になり(笑)
まあ、どーでもいいヤツ&人間的にOKなら友情結べるかな。。。
ってな無難な解答に行き着くも、これも相手合っての事で、向こうが
同じ考えなら成り立つけど、そうも行かない。。。。微妙なバランスの
問題だなあ。多分、どちらかが、あるいは両方が恋愛の気持ちを
押さえつつ、侍的矜持が無いとダメな感じしますねえ。

同期入社の一心同体な青春時代は格別。そのエピソードが
丹念に積み重ねられ、この友情と連帯感は共感できますが、
どうしても恋愛感情に足元すくわれ派(笑)の私は、この
主人公の及川は、やや、太っちゃんに恋愛感情があったと
思っちゃいますねえ。


「告白」 湊かなえ/双葉社

kokuhaku.jpg

本年度の「本屋大賞」受賞作で、唯今、話題の本。

第一章は、とある事情で学校を退職する女教師の生徒の前での
最後の挨拶から始まり、恐ろしい「告白」になり、それだけで終わる。
「事件」によって心の奥底まで絶望し復讐の鬼と化した教師の
「告白」はまさに核兵器。。。と、言うよりジワジワと忍び込んで、でも
確実に死に至らしめる生物兵器のよう。
第二章~第六章は、その感染された登場人物達の独白形式。
とても当たり前だけど、全てが主観で「事件」が語られ、それぞれが
とてももっともらしく、なるほどねえ。。。そうだよねえ。。。と、
納得させられちゃう(←いいのか!:笑)
人によって、解釈や考え方、感じ方が違う。何が正しく何が悪いのか。
まるで真っ暗な空間でのジェットコースターに乗ったかのような
ストーリー展開と悪夢の連鎖は、恐ろしいラストへ。。。

いやはや、すげ~~恐いっす(笑)
最初のどこかザラザラした違和感のある告白は、淡々としつつも
確実に読者を釘付けにします。
この本の肝は、多分第一章のみ。。。ってな気がする。
乱暴に言えば、第一章のみの短編でも凄い迫力あり。
殺伐として救いの無い世界だけど、これぞ、ミステリ!!
第二章以下は編集者に「この続きが読みたい!
膨らませてください」と頼まれたような、ええ、
やっちゃいましょうか?ってな作者とのやり取りが目に見え
ます(違う?:笑)

作者の第一作だそうけど、凄い力ありますねえ♪





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